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教育基本法改正案を採決しないでください

 以下は、11月3日に国会衆議院「教育基本法に関する特別委員会」の40名余の議員あてに送ったメールです。(今年5月にも教育基本法「改正」反対のメールを送っています。)


教育基本法に関する特別委員会委員長
森山真弓様
                                          小野 洋

 私は兵庫県神戸市で、不登校の子ども等が通うオルタナティブスクール(フリースクール)で働く小野と申します。
 このたび国会の貴委員会で審議されている「教育基本法改正案」について、今月14日にも採決が行なわれるという報道を目にし、あまりに早急で審議不足のまま国の教育に関する根本法が変えられようとしている事態に驚き、憂慮し、この採決に反対する意見を一言申し上げるものです。
 先日30日、国会での審議をテレビで拝見しましたが、自民党・民主党の議員のご質問、及び安倍総理、伊吹文部大臣のご発言、ご答弁からは、なぜそんなに急いで教育基本法を変える必要があるのか、まったくその理由がわかりませんでした。
 教育は、人と人とが生身で接し作り上げられていくものです。大変小さな教育の場ではありますが、私の仕事を通し、「教育は制度ではなく人」ということを日々実感しております。また、私にも公立学校に通う子どもがいますが、その親としても学校の先生方の努力されている姿に、まったく同じことを感じています。
 教師や子どもと関わる者が、真剣に子どもと向き合い創造していくものが本当の教育です。にもかかわらず、残念ながら現在の教育行政や国の教育に対する施策は、善意の教師や教育関係者の現場での地道な努力を木っ端微塵に壊してしまうものが、あまりに多い、というのが私の実感です。
 一例を挙げさせていただきます。
 つい先日まで、文部科学省は「総合学習」を突如奨励し、いわゆる「ゆとり教育」とセットにして公立学校に一律に課していました。総合学習自体はとても素晴らしい取り組みだと私は思いますが、それまで一斉授業に慣れ親しみ、総合学習への準備がなにも出来ていない教師に一律にそれを課したことで、どれだけ現場の教師は混乱し、増えつづけている膨大な量の事務作業とあいまって、子どものことを考える余裕を奪ったことかと思います。
 そして今、安倍総理は「学力の回復」を謳い、180 度教育政策を転換することで、更に教育現場を混乱させ、教師に負担をかけようとしています。このように右往左往する国の教育行政の無責任さ、現場の無理解に対し、子どもに関わる現場で働く者として、深い怒りと絶望を感じざるを得ません。
 今、私の聞く範囲で、教師、特に問題の多く発生する中学校教師の中で、子どもと関わる時間や余裕がない方がどれだけ多いことか。様々な事務、親との関わりなどに亡殺され、ほとんどの教師が子どもとゆったりとした気持ちで関わり、その関わりの中で豊かな教育内容を作って行くことなど、ほとんど出来ない状況におかれています。これでは今問題になっている「いじめ」への本質的な対策などできるはずがありません。

 もちろん「問題教師」もある程度の割合でいるでしょう。しかし、私という庶民の目から見ても、大方の教師は、夜遅くまで学校に残り、子どものことで悩んで、なんとかいい教育を作り出そうとしています。こうした。教師の努力を、後ろから援助するのが教育行政ではないのですか?
 新しい教育基本法で、いくら素晴らしい徳目を謳っても、子どもと関わり、子どもに徳を伝えるのは、現場の教師や周りの大人です。その教師や親、地域の大人たちに無意味に規制を加え、その活力を奪おうとしているのが、今、採決されようとしている教育基本法改正法案なのだとしか思えません。現に「教育再生会議」では、教師の免許更新制が検討されていますが、これは今の学校の教師が校長や教育委員会の顔色をうかがっている状況をますます助長する愚策となることはまちがいありません。上司の顔色をうかがうサラリーマン化した教師が、いじめや不登校を「ゼロ」として報告し、出世のための得点を稼ぐことに窮々とし、子どもたちを苦しめているのではないのですか?
 教師に対する教育行政からの無意味な圧力を正当化する改正案を、私は絶対に許すことができません。現場を知らない教育行政や文科省が教師を選別して、果たして本当に子どもたちにとってのいい教育が実現できるのですか?
 
 いわゆる「問題教師」の問題も含め、本当にその資格を問うことができるのは、行政でも政治家でもなく、教育をうける当事者である子どもと親、そして学校を支える地域社会に住む住民たちです。それが現行の教育基本法に謳われている「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接責任を負って行なわれる」(第10条)ということなのではないでしょうか。今回の改正案では、この条項に対しても、法律で別に定めることによって、子どもや親、地域住民が学校の運営に関わることを大幅に制限できるよう、改変できることになってしまいます。戦後間もなくは実現されてきた教育委員会の地域住民による公選制をやめさせてきたのは、自民党の皆さんだったのではないのですか? 
 地域住民が「問題教師」をチェックし、その更正に協力するようなシステムを自ら破壊しておいて、「問題教師」を口実に、国や行政の学校現場への権限を強化するような法案を出すとは、一体なにごとか、と私は思います。

 その他にも、弁護士や教育関係者から、さまざまな疑問と異議が、今回の教育基本法改正案に出されています。その他多くの国民からは、あまり意見がない、とおっしゃるかもしれませんが、私自身も含め、教育や子どもに直接関わる現場にいる人間は、法律や制度の問題を考える時間もなく、目の前の問題に追われていることが多いのです。その切実な目の前の問題からみれば、法律の細かい文言など、ほとんど意味がない様に見えてしまうこともあり、現実の場で素晴らしい活動をしている教育・子育て関係者は、今回の教育基本法改正案についつい無関心になりがちなのです。
 しかし、冷静に考えれば、法律、特に「教育の憲法」とさえ言われる教育基本法は、今後の日本の教育を大きく左右するものであり、法律であるが故の強制力を持つわけですら、慎重に扱わなければなりません。多くの教育関係者、国民に真剣に考えてもらわなければなりません。
 その教育基本法を、あたかも他の一般の法律と同じように、そこそこの審議時間で、数の多い党派の力で押しきるようにかえられては、国の進路に関わる、大きな間違いにつながりかねません。
 実際、戦争の反省に立った現行の教育基本法の根本原則…教育の内容については、教師・親・地域住民が主体となって創り出し、行政はその援助にまわる等々…を根本からくずしかねないような、細かい「教育の目的」の羅列が、今回の改正案の第一条には記されています。
 もっと慎重に、たくさんの教育関係者、国民の意見を聞いた上で改正すべきではないですか?
 さらに言えば、現行の教育基本法をいじることでは、現在の複雑な教育問題を変えることはできないのではないですか。法律の改正のような事に労力をかけるよりも、教育の予算を増強したり、教育委員会が地域や親の意見を反映するように改変したり、虐待や子育て、不登校の問題に取り組むNPOなど民間団体と連携したり、他にやるべき施策はたくさんあるのではないですか?教育予算だけ見ても、日本はOECD30ヶ国調査で最低レベルなのです。(神戸新聞2006年9 月13日付)
 こうした「本当に取り組むべき施策」をいいかげんにしながら、息咳切るかのように教育基本法の改正のみを急ぐのなら、改正反対派の人たちが言うように、現在の政権与党は、日本を戦争が出来る国にするために血道をあげているのだ、と判断せざるをえません。
 もしそうでない、と言われるなら、是非ともこの国会での教育基本法案の審議を中止し、教育改革について広く国民に意見を問うような取り組みをすると共に、教育現場にいる教師や関係者たちを励まし援助するような施策に根本的に取り組むよう、強く要望するものです。
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