2017-06

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原発事故で深く考えさせられたこと(1) よみがえった悪魔

 3.11以来、本当にたくさんのことを考えた。
 それを文章にまとめようと思っていると、ニュースで原発事故の状況が悪化したとの知らせが入ってきて、心落ち着かなくなる。その繰り返しだった。現に今も、大量の放射能が大地と海を汚染しており、3号機の温度が安定せず、福島の子どもたちが大量の放射線にさらされている。
 そして、また一つと、問いが突きつけられる。

 今回の福島第一原発の事故で、自分もまた、核燃料についてとても甘く考えていたことを思い知らされた。

 これまでの経過でわかるとおり、核分裂を止めた核燃料も、生み出された放射性物質の崩壊熱のため、冷却水の供給が止まれば、あっという間にメルトダウンしてしまう。
 「冷温停止すれば安全」と言っているが、それは100℃以下になっただけの話で、何年も、いや実は半永久的に冷やし続けなければ、崩壊熱のためにメルトダウンしてしまうのだそうだ。「冷温停止」になれば、急激に温度が上がらないというだけの話で、熱を出し続けることに変わりはない。だから福島第一原発4号機の使用済み核燃料プールも沸騰したのだ。
 その熱の出し方が、時間につれてはてしなくゼロに近づいていくということであって(放物線を横にしたような感じ)、完全にゼロにはならない(!)のだそうだ。考えてみれば、放射能の「半減期」というのもそうで、ある一定期間で放射能が半分になるだけで、半分の半分の半分……を永遠に繰り返しても、決してゼロにはならない。(だから半減期が30年のセシウムは、90年経ってもやっと八分の一になるだけ。大量に放出されたているので、安心して生活できるようになるには、何世代にもわたって放射能とつきあわなければならないということになる。)
 六ヶ所村にある使用済み核燃料処理施設が危ないとか、高レベルの放射性廃棄物の処理方法がない、というのは前から知っていた。しかし、核燃料そのものがこんなにやっかいな代物とは不覚にも思っていなかった。僕自身もまた、とても甘かったのだ。

 できたての核燃料そのものは、そこまで危険ではない。使用済み、つまり原子炉で核分裂させたために発生したセシウム、ヨウ素、ストロンチウム、プルトニウムなど、もともと自然界に存在しない放射性物質がやっかいなのだ。一瞬にしてほとんどなくなってしまう放射性ガスから半減期が2万5千年のプルトニウムまで、いろいろあるが、放射線を出しながら、熱も発していく。一度できてしまったら、半永久的に管理していくしかない。
 高レベルの放射性廃棄物をガラス固化体にして地中に埋める、という最終処分も、とてもできるとは思えない。ガラス固化体を覆うステンレスの容器の表面は製造直後には1500シーベルトもの強烈な放射線を出す。近くに20秒もいたら、あっという間に100パーセント死亡する。数万年経ってやっと元のウランの放射線量に戻るのだそうだ。その間、埋めた土地に地殻変動や巨大地震が来ないと言えるだろうか。数万年も腐食しない、割れないステンレスなどあるのだろうか。
 今の福島の現状は、その「冷温停止」や「最終処分」できる段階まで行く見通しすらたっていない。もしそうできても、子孫代々にわたって厄介な使用済み核燃料の世話をお願いするほかない。冷やし続けるために電気が必要で、その電気を作るために資源がもうない。だから被曝する覚悟でウランをリサイクルしてプルトニウムで発電するしかない…。これはもう悪夢そのものだ。

 作りたての核燃料は、ウラン235という物質でできている。このウラン235というのは、自然のウラン鉱石にはわずか0.7パーセントしか含まれていない。天然のウランを精製して核燃料用のウラン235を取り出しているのだ。この天然ウランの採掘や精製の過程で、それに従事する労働者が大量の被曝をし、ウラン鉱山、精製工場の近くには、大量の放射能がばらまかれている。この時点ですでに罪が重い。
 映画「ホピの予言」でも描かれていたが、ウラン鉱山は、なぜかネイティブアメリカンなど先住民が住んでいる場所に多く、アメリカではネイティブアメリカン、インディアンの労働者が素手でウラン鉱石に触れて被曝していた。彼らの聖なる大地を流れる川も、放射能で汚されてしまった。

 そのホピ族にとって、地中深く埋蔵されているウランは母なる大地の内臓であり、決して掘り出してはいけないものだという。そのウランを掘り出して作ったものが「灰がつまったヒョウタン」、すなわち原爆なのだという。(ホピ族に伝わる石板に、原爆が日本に落とされることも予言されていたという。)

 地球が誕生してからしばらくの間、地球上の物質のほとんどが放射線を発していたのだという。天然のウラン、コバルトなどがいまだに存在しているのは、半減期がとても長いため(ラジウムやラドンのもとになるウラン238で半減期が.468,000,000,000年、コバルト60で5万年)。誕生時の放射能にまみれた地球の姿を今に伝える、いわば「放射能の生きた化石」なのだ。
 こうした放射性物質が減ることで、地球上に生命が誕生した。今危惧されているように、細胞を深く傷つける放射能が大量にある場所では、生命が進化することはできなかっただろう。現在存在する生物は、ウランやラジウム、コバルトなどを体に取り込めないようなしくみを持っているのだという。地球上のあらゆる生命体が、生存し進化していくための生命的な「知恵」を持っているのだ。
 ところが、核分裂によって発生する放射性物質は天然には存在しないものであるため、似た性質を持つ他の物質と勘違いして生物が取り込んでしまうのだという。放射性ヨウ素をわかめや昆布のヨウ素に、セシウムをカリウムに、ストロンチウムをカルシウムに、それぞれ取り違えて、甲状腺や筋肉や骨、肺などにためてしまう。人間がいくら脳が発達していても、体そのものはホウレンソウや小魚と同じ、生物の原理で動いているため、放射性ヨウ素やセシウムなどを排除することができない。
 「天然の放射線は体にいい」という話もある。たしかにラドン温泉も体にいいと言う。しかしそれは、ある程度までで済む量の放射線だからだ。体が健康な人にとっては、ある程度の無理をすることやストレスによって、さらに元気になることがあるだろう。しかし、限度をこえれば病気になり、死に至る。  
あるいは、自然界の放射線というのは、適度な量の放射線で生物を厳しく鍛えるために残っているのかもしれない。それとも何かを警告するために、メッセージとして残されているのかもしれない。太古の知恵を私たちに伝えてくれている先住民がその鉱脈の上に住んでいるというのも、もしかしたら科学的な意味もあるのかもしれない。

 ひっそりと地中で眠っていた母なる地球の内臓、ウランを掘り出し、人工的に手を加えて、すさまじいエネルギーを発する核燃料を人間は作り出してしまった。その核燃料を燃やせば、太古の時代に消え去ったはずの悪魔たち、放射性物質がよみがえって暴れ出す。一度暴れ出したら最後、水を循環させて冷やし続けなければ毒をまき散らし、生命に害を与え続ける。

 傲慢にも、人間はその悪魔をコントロールできると思い込んだ。
 「原発は安全です。」
 「事故を起こさないよう、何重にも防護しています。」
 「放射能は必ず閉じ込めます。」

 おそらく本当は、悪魔の正体は、ウランでもセシウムでも原発そのものでもなく、そういうものを作り出してしまった人間の心の闇だと、私は思う。
 生命とともに生きる道を捨て、経済的利益を神としてあがめてしまったのだ。

 ホピの人たちが予言するように、経済的利益という滅びの道を歩み続けるのか、生命とともに生きる道を選び直すのか、今、わたしたちに問いが突きつけられている。
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