2017-10

Latest Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

やっぱり「天国はつくるもの」だった

   やっぱり「天国はつくるもの」だった
            …十五少年との小豆島自転車旅行…     

 「そうだ、小豆島に行こう!」と思い立ったのが、5月に入ってからのこと。
 去年は、原発銀座と呼ばれている福井県・若狭に、原発を観に行くのでなく、あえて若狭の自然の素晴らしさ、歴史と文化の深さを体で知るような旅をしようと、到着地の小浜で炭焼きを体験したり明通寺を初めとした名跡を自転車で巡ったりした。もちろん、長年、反原発運動に取り組んできた明通寺住職・中嶌哲演さんのお話もうかがった。
 思えば、今年で11年目になる自転車旅行の目的地は、そう意識して決めたことではないのだが、環境問題に関係する場所が多かった。最初の年、3人の子どもたちが奈良県の山奥まで走った時の目的地は植林された山を自然林に戻そうという活動をしている山小屋だったし、二回目からも田舎暮らしをする知人の所だったり環境保護活動をしている方の住む瀬戸内海の過疎の小さな島だったりした。水俣を訪れ、屋久島にも行った。
 今年。どこに行こうか悩んでいる頃に目に入ったのが、「てんつくマン」とその仲間たちが小豆島を拠点に進めているプロジェクト『豪快な号外』のホームページだった。

 ラミ中に来ている5人の子どもに地球温暖化についての授業をしたところ、関心も高く、詳しくいろいろな事を知っている子もいて、ラミ中のまわりの住宅地で『豪快な号外』のポスティングをしようということになった。秋の「ラミ中祭」のチラシのポスティングを毎年するので、ポスティングは皆お手のもの。嬉しかったのは、玄関先に出ている近所の人に「地球温暖化のことを書いた新聞です。」と言って手渡すと、大体の人が「ありがとう、ごくろうさま。」と言ってくれたこと。ふだん声高にものを言わない人でも、温暖化の問題は心配なのだ。
 ラミ中の通信で『豪快な号外』の話を発信したところ、何人かの人がもうすでにこの話を知っていて動いていたり、ラミ中から号外を取り寄せて配ったりしてくれた。自転車旅行にも参加したある子は、お母さんから号外の話を聞いて、早朝5時に起きて近所にポスティングしに行き一日で1000部も配った。メールなどで、「うちでもキャンドルナイトしました」「最近は子どもたちの方がエコに敏感で、電気をマメに消してまわっています」などの声も聞いた。
 自転車旅行の説明会と合わせて映画『天国はつくるもの』の上映会をした。自転車旅行に参加する予定の小4~高校生の子ども達にはちょっと難しいかな、と思ったが、多くの子が最後まで観てくれて、小6の一人の子が家に帰ってから「あー、面白かった」と言ったのを後から聞き、子どもの感じる力をあなどっていた、と反省する次第。

    自転車旅行は、ラミ中の生徒だけでなく、様々な人たちに毎月届けている通信でも参加者を募集している。例年は5~10人くらいの参加希望者が、何故だか今年は15人にもふくれ上がった。15人くらい、たいした人数ではないと思われるかもしれないが、数台の自転車でも脚力の差から、先頭と最後尾で2~3キロの距離が開く事もある。大きなトラックが肩すれすれの所を通りすぎることもある危険な自転車旅行に、少ない人数のスタッフでこれだけの人数連れていけるか、最初はとても悩んだ。しかも、これも今年初めてのこととして、女の子の参加者が3人もいる。
 困難はそれだけではなくて、到着地、小豆島の「てんつくマン」たちの拠点の「ステップ村」が、必ずしも居心地のいい「天国」ではなく、荒れ果てた海水浴場の砂浜と海の家に懸命に手を入れている最中だったこと。下見に行った際の、砂浜に下りるまでの坂道の、車がひっくりかえりそうなデコボコさ加減に、一緒に行ったスタッフがびっくりしていた。宿泊も建物の中ではなく、砂浜でテント泊になるとのことを電話で聞いていた。アウトドアの極地のような自転車旅行をしながらなんなのだが、今までは野宿をして苦労して到着した場所では、ご褒美のようにちゃんと屋根がある場所で泊めてもらい、時によってはご馳走ぜめに逢うこともこともまれではなかった。厳しい野宿をしてたどりついた場所で、カンカン照りの砂浜でテント泊する…。

 そういう迷いも、下見の車がステップ村に到着した途端に忘れてしまった。なんと、この場所に僕は来たことがある!……なんという奇縁!
 今やっている「ラミ中学校分校」という学び場を始める前に、新しい学びの場を求める親子を連れて、ここでキャンプをしたのが十数年前のこと。しかも、ステップ村の住人たちが拠点にしている元・海の家を仕切っていたのは、日本のフリースクールの草分けともいえる「地球学校」のスタッフ、尾鼻正博さん(故人)だった。この海水浴場の持ち主の好意で、フリースクールの子どもたちの夏の活動として海の家の運営をしていたのだ。尾鼻さんは、まだフリースクールが数少ない頃から、全国のフリースクールのスタッフが集まって元気になるような交流会の世話役をしていた。亡くなった後、たくさんの人たちが地球学校のある高砂市内のお別れ会の会場を訪れていた。フリースクール以外でもさまざまな活動をしていた。僕個人としても、息子が小さい頃に家に来てくれて、とてもやさしい目で息子と遊んでもらった思い出がある。その尾鼻さんが夏にいた海水浴場が、今、新しい若者たちの希望の場所になっている。不登校の子や引きこもっていた青年もその活動に参加していると聞いた。
 ステップ村の方にうかがったところ、ここに来た時、砂浜は荒れ果て、海の家の周りは産業廃棄物だらけのすさまじい状態だったという。台風で崖が崩れて以来、海水浴場としては閉鎖され、誰も手がつけられない状況の時に、「てんつくマン」とその仲間たちがNGO「MAKE THE HEAVEN」を立ち上げ、ここに天国をつくろうと開拓(?)したのだとのこと。海の家の前の鉄くずだけで、トラック何杯分もあったという。砂浜も、下見で見た時は十数年前と変わらないのどかな姿だったが、砂浜のゴミを相当片付けたらしい。
 その苦労だけでなく、ステップ村の住人たちの遊びゴコロにも心動かされた。詳しくは、ぜひ現地に行って見てほしい。解体する小豆島のホテルから廃材だけでなくいろいろなものをもらってきて建物をつくったり露天風呂を作ったりしている。一つだけ紹介すると、壁のかわりにドアを貼り付けた「どこでもドア」(?)みたいな小屋には恐れ入った。そうして作った露天風呂の二階(?)から見た海の眺めは格別だった。さらに、カンボジアの子どもたちの来日に間に合わせようと作っている大きな建造物がみごとだった。自転車旅行では子ども達とも見学させてもらったが、子どもたちも、この遊びゴコロあふれる建物がいたく気に入ったようだった。

 露天風呂の二階のベランダで現地のスタッフの方二人と美しい小豆島の海を眺めながら長々と語り、帰路に着く頃には気持ちに迷いはなくなっていた。「学校をつくろう」と集まったかつてのラミ中の仲間たちの想い、「地球学校」の尾鼻さんがやってきた事、そして、絶望的な状況を自分たちがまず動く事でなんとかしようと立ちあがった「てんつくマン」たちの活動が、不思議な縁でつながっていたのだ。


 7月下旬の自転車旅行本番。子どもたちの走りもみごとだった。スタッフ不足を補うため、自転車旅行3回目の「ベテラン」の子どもたち3人(小6・中1・中3)に行く道を覚えてもらい、先導役を任せた。今までの経験を生かして、ほとんどスタッフとかわりないくらいの働きをしてくれた。この3人が、帰路分かれて四国に遠征に行った後は、経験2回目の「中堅」の子たちが先導役をみごとこなした。女の子3人も、男の子と変わらない走りで、心配も杞憂に終わった。体力や野宿についての不安を抱いていた子どもも元気に走った。もちろん自転車のチェーンが切れる、向かいから来た自転車と正面衝突する、といった軽いトラブルと事故はいくつもあった。ヒヤッとする転倒事故もあった。でも、それは例年の自転車旅行どおりのことで、定員の1.5 倍の自転車旅行としては、ほぼ無事といっていいような程度だった。
 そして到着地のステップ村では、カンカン照りの中、太陽に負けないくらいの勢いでよく遊んだ。自転車旅行に参加するかどうか最後まで迷っていた、家に引きこもりがちの生活をしていた子が、砂浜に打ち上げられていた大きな発泡スチロールの箱の「船」に乗り、みんなにひっくり返されて笑っていた。せっかく砂浜に張ったテントも、「野宿なんかめったにでけへんもん」と言って、ほとんどの子が砂浜に寝袋を敷いて寝て、あまり使われなかった。
 そして、遊び疲れて子どもたちが早々と寝付いた最終日の晩に、一人で焚火の番をしながら眺めた月と海の輝き……。まさに天国だった。


 大人数の自転車隊、女の子たちの挑戦、灼熱の砂浜での生活、途中の思わぬトラブルなど、スタッフの立場からは大変なことがとても多かった今回の自転車冒険旅行。でも、子どもたちの力やスタッフの努力はとても大きくて、始まる前の不安を吹き飛ばしてくれた。まさに「天国はつくるもの」…不安や苦しみを動く事で喜びに変える事ができることを、15人の子どもたちが目の前で見せてくれた。素敵な旅だった。
 この冒険を支えてくれた人たちと、すてきな出会いを与えてくれた多くの人たちに、心から感謝!

スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://masteron7.blog81.fc2.com/tb.php/31-06ae17b4

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

プロフィール

マスター

Author:マスター





無料カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。

 

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

 

 

RSSフィード

リンク

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。